怒り

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怒り浸透のエリーは、怒鳴り声を上げると、ベルゼブのいる部屋から出て行った。 「…はぁ」 「父上…」 「ディアスか…」 「エリーをあのままにしても…?」 ベルゼブに跪く様に、ディアスは片膝を床に付けた。 「…全く、エリーにも困ったものだ。クリスは自分の意志で人間界にいると言うのに…」 「…認めたくないのでしょう。特に、エリーはクリスの婚約者だと自負していますから‥」 「まぁ、仕方ない。…ディアス、エリーを連れ戻してくれ。クリスは、人間界が気に入ってるらしいからな───…」 そう言って遠くを見つめたベルゼブに、ディアスは頭を下げ、その場を後にしたのだった──…。
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