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「──…。此処が人間界…?私達の世界と何も違わないじゃない…。何でクリスはこんな人間界に…」
真下にある建築物や道路やらを見ながら、エリーはブツブツと小言を吐く。
そして───…。
「…ッ‼」
エリーは、もう10年も会っていなかった人物を発見した。
「クリスーッ‼💕」
そう大声を上げながら、空に浮かんでいたエリーはクリス目掛けて急降下する。
「…ッ⁉エリー⁉」
それに驚いたのは、他の誰でもない、クリスだった。
「クリス💕会いたかった💕」
そう言って、エリーはクリスの胸に飛び込んだ。
「エ、エリー⁉お前が何で…⁉」
「何で、とはご挨拶ね!もう10年も帰って来ないから、私が迎えに来たんでショ⁉」
そう言って、頬を膨らませ可愛く怒るエリーだったが、クリスは苦笑するだけだった。
「10年…。こっちでは1年しか経ってねェけど、そっちではもう10年も経ってたのか…」
しみじみとそう言いながら、クリスは人間界に来る前の事を思い出していた──…。
「もうこんな所にいてもつまんないでしょ?早く帰りましょう?」
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