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そう言って腕を引っ張るエリーに、クリスは腕に巻き付いているエリーの手を解いた。
「悪ぃけど、まだ帰る訳にはいかない」
「な、何で⁉別に、クリスが人間界にいる理由なんてないでしょう⁉」
そう言って引き止めるエリーに、クリスはため息を吐いた。
「エリー。これは俺の意志だ。オヤジが言ったから、俺は人間界にいるんじゃねェ…。分かったら、早く帰れよ」
そう言ってさっき来た方向に歩いて行くクリスに、エリーはまだ納得出来なかった。
「ッ‼私が言っても帰らないって言うなら、その理由を突きとめてやる!絶対に、クリスと一緒に帰るんだからッ‼」
エリーは思い切りそう叫ぶと、素早くクリスの前から姿を消した。
「はぁ…。これから、ひと波乱起きそうだな…」
そう言って、クリスは髪を掻きむしった…。
この予感が的中するとは知らずに──…。
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