2章

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庄之助は思った、一雄に本当に強い心をもった姿を見せてやりたいと、簡単に逃げ出したり、諦めたりせずに、どんな困難にも立ち向かって行く強く、勇ましい姿を。 その姿はきっとどんな言葉よりも、一雄を強く、一雄に勇気を与えてくれるだろう、そう思った。 しかし、今の庄之助ではとてもそれを示せる力がなかった、若さが‥‥。 体は重たく、思うように動かない、少しでも走れば息はすぐにきれ、腰は痛み、膝は笑う。 情けない!何が強い心だ! 庄之助はまた物思いに耽っていた。
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