桜の季節

３章

庄之助が語りかける。

神木と言う言葉をしっておるか？

神木とは、神社などで大切に奉られている木のことを言うんじゃが、そう言う木とは別に、百年以上生きた木には神が宿ると言われていて、それも神木と呼ばれているんじゃ。

実はなぁ、うちのこの桜の木も百年以上生きた立派な神木なんじゃ。

詳しくは分からんが、この木は江戸彼岸といってのう、かれこれ三百年以上は花を咲かせ続けているんじゃ、すごいじゃろう。