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一雄は先ほど話しに聞いた桜の精がそこにいて、いままで話をしていたのだと勘違いした。庄之助には本当の事が言えなかった。
「あれ?あれれ?もう居なかったのかな?」
「一雄には見えないのか?」
「うん、残念だけど。今も居るの?」
「あ、ああ‥‥。」
庄之助は突然身体中に寒気が走った、そして‥、色んな事が頭をよぎり目尻が熱くなるのを感じた。
「まさか、本当に‥‥。」
「言ったでしょ、本当だって。」
今まで黙っていたスレイブが口を開いた、しかしその声も一雄には届いていないようだ。
「え?どうしたの?」
一雄には庄之助の言葉が理解出来ずにいた。
「いや、なんでもないんじゃ、ほれほれ、早く帰らんとまたお母さんが心配するぞ。」
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