6章

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いきなり始めた自分は卑怯ではないのか、と突っ込みたい気持ちを押さえて、スレイブは冷静に言った。 「すみません、しかし、どちらが表なのかきちんと決めてからでないと賭けは成立しませんよ。」 「ちっ!」 桜の精は舌打ちした、上手く誤魔化してイカサマする気だったのだ。 「あ!今舌打ちしませんでしたか?舌打ち。」 「はいはい、こっちが表にしましょう、10円玉の10のほうね!」 そう言って10円玉の10と書かれた方をスレイブに突き付けた、かなり強い口調だ。 「どうして怒ってるんですか。」 「怒ってませんよ!じゃぁ、いきますよ!」 桜の精は上手くスレイブを賭けへとのせた、そしてコインは高々と空へと舞った。
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