7章

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「ねぇ、お爺ちゃん。」 「ん?」 「僕ね、明日学校の図書室で桜のことを色々調べてみたいんだ。」 一雄はそう言いながら、自分のランドセルから一冊のノートを取り出した。 「ほう、それはいい事じゃな。」 「でね、お爺ちゃんの家の桜、なんて名前だっけ?」 「ああ、あれは江戸彼岸と言うんじゃ。」 「えどひがんだね。」 そう言いながら、ノートの隅に平仮名で『えどひがん』と書いた。 「漢字はこうじゃよ。」 庄之助は一雄の書いた下に、『江戸彼岸』と漢字で書いてあげた。 「うん、ありがとう。」 「たしかのう、ちゃんとした所にはえていれば、千年でも花を咲かせるらしいんじゃ。」
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