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「ねぇ、お爺ちゃん。」
「ん?」
「僕ね、明日学校の図書室で桜のことを色々調べてみたいんだ。」
一雄はそう言いながら、自分のランドセルから一冊のノートを取り出した。
「ほう、それはいい事じゃな。」
「でね、お爺ちゃんの家の桜、なんて名前だっけ?」
「ああ、あれは江戸彼岸と言うんじゃ。」
「えどひがんだね。」
そう言いながら、ノートの隅に平仮名で『えどひがん』と書いた。
「漢字はこうじゃよ。」
庄之助は一雄の書いた下に、『江戸彼岸』と漢字で書いてあげた。
「うん、ありがとう。」
「たしかのう、ちゃんとした所にはえていれば、千年でも花を咲かせるらしいんじゃ。」
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