8章

3/12

35人が本棚に入れています
本棚に追加
/77ページ
「よ~し、治ったな!」 庄之助は不思議な早口言葉でお爺さん口調を治したようだ。 「そんなことで治すものなんですか?って言うか、自分のさじ加減では?」 「お前さっきから五月蠅いな。」 「スイマセン…。で、どうしますかこれから。」 「ん?そうだな、せっかく若返ったんだ、まずは……。」 「まずは?」 庄之助はスレイブの顔を見てニコリと笑った。 「遊んで来るぜ!」 「え?ええ!!」 ものすごい勢いで走り去って行く庄之助。 「あっ!ちょっと!一雄君はどうするんですか!」 もう聞こえる範囲にはいなかった…。 「あ~あ、ハァ~…。」 スレイブは枯れ果てた桜の木を見上げた。 「これが貴方の望んだ結果ですか……?」 スレイブの頭に桜の精の言葉が甦る。 「庄ちゃんの夢叶えてあげたいんです……。」 うつむくスレイブ。 「あ~!もうっ!」 そう言いながら飛ぶように庄之助の後を追った。
/77ページ

最初のコメントを投稿しよう!

35人が本棚に入れています
本棚に追加