8章

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一雄は二人を庄之助の話していた桜の精だと思い込んでしまった。 「はぁ?何言ってんだこいつ、泣かしたろか。」 「おい!いいから話を合わせておけ!」 「何で?」 「馬鹿!郷には入れば郷に従えと言うだろ。」 「はぁ?」 「ちっ!ちょっと違うか…、だからな。」 二人は一雄から少し離れて小声で話し始めた。 「あいつはここのジジイの孫だ、たぶん。」 「へい。」 「だから、あいつを使って身代金巻き上げるんだよ!」 「なるほど!」 「空き巣なんかより儲かるぞ!」 「さっすが兄貴!」 二人は一雄の前へと戻り。 「そうで~す、私が桜の精で~す。」
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