35人が本棚に入れています
本棚に追加
/77ページ
「お爺ちゃん!」
と大きな声で谷山一雄が裏の勝手口から中庭へと走り込んで来た、一人物思いに耽っていた庄之助は少し驚いてみせたが、一雄だとわかった瞬間に満面の笑みがこぼれる。
「なんじゃ、なんじゃ、騒々しいのぉ。」
一雄は庄之助に駆け寄り隣りに座るとすぐに問い掛けた。
「お爺ちゃんは強い男なんだよね!」
庄之助はもちろんだと答えようとしたが、一雄の目尻に涙の跡を見つけて。
「なんじゃ、また泣かされたのか。」
一雄は全力で否定した、勿論うそである。
最初のコメントを投稿しよう!