2章

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「お爺ちゃん!」 と大きな声で谷山一雄が裏の勝手口から中庭へと走り込んで来た、一人物思いに耽っていた庄之助は少し驚いてみせたが、一雄だとわかった瞬間に満面の笑みがこぼれる。 「なんじゃ、なんじゃ、騒々しいのぉ。」 一雄は庄之助に駆け寄り隣りに座るとすぐに問い掛けた。 「お爺ちゃんは強い男なんだよね!」 庄之助はもちろんだと答えようとしたが、一雄の目尻に涙の跡を見つけて。 「なんじゃ、また泣かされたのか。」 一雄は全力で否定した、勿論うそである。
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