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窓から差し込む月明かりに、ぼんやりと人影が写っている
ベッドに横たわる潤子が、そこにいた
「なんだ…寝てたの?電気も付けないで!具合悪いの?」
はぁーと大きく息を吐き、海は潤子に歩み寄った
「……てって…」
小さな声がした
「え?」
「…出てってよ」
突然そんなことを言われ海は戸惑った
「何、言ってる…?」
「出てって」
ベッドに体を預けたまま潤子は続けた
「私…知ってる、から…全部」
「何を?」
「海のこと…家出してきたこととか…、学校のこととか、彼女のこと…とか、家族のこととか…いろいろ」
か細い潤子の声が震えていた
「全部、知ってる、から…」
「何で…」
「海…お金持ちの子だったんだね」
波の音が…消えた
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