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「やっとここまで来れた…!早くしねえと、三連続遅刻になっちまう…!」
と、助走をつけて坂を下り始めたその時だった。
「みゃーお。」
電柱の陰からノラ猫が顔を出し、慧の目の前に出て来た。
「ちょ、危ねえ!」
慧は慌ててハンドルを切り、猫を避ける。
だが、その先には生ゴミのポリバケツがあった。
「ギャアアアーッ!」
ブレーキがかからず、慧は勢いよくポリバケツに突っ込んだ。
――ドガシャアンッ!!
ポリバケツは、生ゴミを巻き散らしながら吹き飛んだ。
「うえ…臭っ…!」
慧は体についた生ゴミを嫌々取る。
と、そこへ先程の猫がやって来た。
「ったく…お前のせいだぞ…。」
慧は文句を言ったが、猫は魚の切身をくわえて、さっさと走り去った。
「クソ…ツイてねえ…。」
ブツブツ文句を言いながら、慧は生ゴミを片付ける。
そして片付け終えると、学校への道のりを急いだ。
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