序章:天空のメシア

5/16
前へ
/600ページ
次へ
朝のSHR開始のチャイムが鳴る。 二年A組では、担任の女教師が出席を取っていた。 と、静かな教室の中に、バタバタと誰かが廊下を走っている音が聞こえてきた。 その音は徐々に近づいてくる。 そして次の瞬間、勢いよく教室のドアが開かれ、誰もがドアに目を向けた。 教室に入って来たのは、荒い呼吸をしている、汗だくの慧だった。 「えーと…セーフ…?」 「アウトアウト。定梶、アンタまた遅刻よ。」 「えー…マジかよー…!せっかく必死でチャリこいだのに…。」 「これで三連続よ。いいかげんにしなさいよね。」 担任に呆れられながら言われると、慧はため息をつきながら自分の席に着いた。 席に着くや否や、慧は疲れきって机に突っ伏す。 クラスの慧の友人達は、そんな慧を見てクスクスと笑っている。 と、それを担任は静かにするよう制した。
/600ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1832人が本棚に入れています
本棚に追加