序章:天空のメシア

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(無表情で、いっつも左眼に眼帯をつけてたな、アイツ。なんで退学したんだろ…?) しかし、その疑問は考えてもわからないため、慧は考えるのをやめた。 その彼が座っていた席に、綾徒が座った。 「あ、あの、如月…さっきはナベって言ってすまんかった…。」 慧が頭を掻きながら言うと、綾徒は首を横に振った。 「いいよ、別に。それよりよろしくね、定梶 慧君。」 綾徒はにっこりと笑いながら会釈した。 と、綾徒の言葉を聞き、慧の中にちょっとした疑問が浮かんだ。 (こいつ…なんでオレの名前を知ってるんだ?先生は名字しか言ってねぇのに…。) 「よ、よろしく、如月…。」 少し戸惑いながら慧は返事をした。 それと同時に、一時間目の授業の開始のチャイムが鳴った。
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