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好きだと自覚した時にはすでにその教育は終わっていました。
いわゆる自衛隊用語で言うなら、車教love。簡単に説明するなら、自衛隊の中で受けられる初級装輪操縦課程と呼ばれる大型免許取得の為の教育で、恋愛関係になることだ。
正確に言うなら車教loveじゃない。
なぜなら好きだと気がついたのが、半年も後に再会した時だったのだから。そして、遅すぎる感情は伝えるというほどの仲を作れるでもなくまた、月日がたっていった。
菅原は、来週からの演習の準備に追われていた。
「支援だろ。楽勝楽勝!」
と同期の田上は言うが、菅原は準備に追われていた。
「菅原、お前どっちの支援。」
どっちというのは支援する小隊はどちらかという意味である。
「A?B?」
「Aだ。」
「うっわはずれじゃん?すべて夜間、昼間も作業あるってよ。最悪だな」
離れた駐屯地にある部隊を支援することは珍しくない。だが、菅原にとって、どんなに最悪な支援であってもそれが最悪とは限らなかった。
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