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「すいません。」
すまなそうに言う桜庭は、運転してきた3曹と共にタイヤ交換を手伝う。
女でも現場の人間だなと思い、泥にまみれた横顔をみる。
久々に見た彼女は、どうらんで顔を塗り、端から見たらなんだこの人と言う風貌なのに、かわいいと思う自分がいる。
「おい、菅、ちょっと田上たちのところに工具借りに行ってきてくれ。」
「あ、はい」
少し名残惜しそうに返事をする。
「そこのパジェロ、つかえよ。なんなら、桜庭士長連れて行け。単車は危ないからな。」
先輩がそういうと作業していた桜庭は手を止める。
「私でいいならついていきますよ。」
「じゃあ、いこうか。」
桜庭と顔を見合わせた菅は、立ち上がった。
「おう、気を付けていけよ。がたがた道だからな。菅、おそうなよ。」
はいはいと受け流すと、二人はパジェロに向かう。
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