昨日*朝

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俺は制服に着替えて家の門を出る。 「陸おはよう!」 声をかけてきたのは同級生で同じ高校に通う隣の家の幼馴染み、西沢 利佳(にしざわ りか)だ。 肩まである黒髪。 大きな瞳。 細い肩幅に身長は推定160センチ。 俺はもう何年もリカに恋をしてる。 今の関係を壊したくないからまだ全然告白とかしてないけど。 「よぉ!」 「今日は寝坊しなかったんだねぇ~」 「まーなぁ!」 「今日は車が降ってくるかな?」 「うるせ~」 いつものように何気ない冗談の混じった会話。 それだけでも満足だった。 今のところはね。 「ねぇ見て? 昨日この髪飾り買ったんだけど似合う?」 ピンクの花の形をした小さな髪飾り。 それはすごくリカに似合っていたけど、俺は素直じゃないから… 似合うと思っても、可愛いと思っても素直に言えない。 まして真逆の事ばっか言っちゃう。 「似合わねーよ! 顔の面積あんま出すと太ってみえるぞ!」 最悪… 「バカ!!」 あぁバカだ… 俺は超大バカ野郎だ。 自分で自分が呆れる。 リカは走って先に行ってしまった。 いつもこうだ。 いつも本当の気持ちを伝えられない… 俺はそんなふ抜け野郎なんだ。
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