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「あーーーーもういい!!」
いつも自分から話しを振るくせに話を終わらせるのもいつも自分だ。
考えてると自分がダメすぎて落ち込むから考えたくなくなるんだ。
パーフェクトな拓也はパーフェクトなだけあって気遣いもパーフェクトだ。
だからそんな俺を責めずに話をそらしてくれる。
「そー言えばお前ん家の犬は元気になったのか?
熱出したって言ってただろ?」
「あぁもうだいぶ良くなったよ。
まだ熱はあるけど元気元気!」
拓也ん家は動物病院で両親共に獣医だ。
チロは身体が弱いからちょくちょくお世話になっている。
「あれ?
拓也お前、手怪我してねぇ?」
拓也の右手の甲に小さな引っ掻き傷らしき傷跡を見つけた。
「あぁ…最近飼いだした猫にやられた。」
「え!?
猫って…また飼うの!?」
拓也ん家は既に犬一匹と猫一匹を飼っている。
「母親が拾ってくるんだよ」
「ふ~~ん…んで名前は?」
「☆♪クロ★☆」
は?
「何その☆やら♪やらは?」
「黒猫だけど☆と♪みたいな模様があるから☆♪クロ★☆」
拓也はパーフェクト男だけど…ちょっとキテレツなところがある。
「お前ん家の犬と前から飼ってる猫の名前と由来を教えてくれ。」
突然そんな質問をした俺に拓也は一瞬、眉を不思議そうに寄せたがすぐ表情を戻して質問に答えてくれた。
「犬は…ポメラニアンだから『ぽめぉ』。
猫は牛柄だから『もぅ』だけど?」
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