kiss

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部屋に着くとドアを開ける合い言葉の様に必ず言う言葉がある 「ウザかった………」 そう言うとやっとドアノブに手をかけ、ドアを開ける。 自分でも外と内では大分キャラが違う事に気づいている。 しかし、女は女優。TPOというヤツで場などに合わせてしまう。 「あ~あ~~、今日も知らん男と……」 大きくため息をつく。 ―――我慢出来なかったのだ。 街を歩くと自然と探すモノがある。 見つける事なんてあり得ないのに、探しモノと勘違いし、勘違いと分かり恋しくなり、―――寝てしまう。 「――この、娼婦が」 忌々しい。 昔の自分ならこんな今の自分は遥かに自分の想像の範疇(はんちゅう)を越えていた事だろう。 でも、こう生きないと家の重さ、アイツの影に押し潰されてしまう。
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