kiss

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そう言い残すとさっさと荷物をまとめ部屋を後にする。 その時最後に見た男の顔は忘れない。 完全に酔った様な顔をしていた。 きっと男はまだあの顔をしている事だろう。 それがおかしくて笑いをこらえられない。 私、花崎侠は絶対に『キスをする関係』は作らない。 そして二回以上は絶対しない。 もしすると、自分も又割りきった付き合いが出来なくなりそうで怖い。 ――“恋”に『絶対』は無いのだから。 そして名前は教えない。 私が抱かれた事を“名前”で残したくない。 又、相手の名前を知りたくないから。 知ったら、割りきった付き合いが出来なくなりそうで怖い。 やっぱり“恋”に『絶対』はないのだから。 そんなに恋を嫌がるのに何故抱かれるか……?
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