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それは、最初で最後の恋にまだ捕まっているからかもしれない。
無償に“一人”が怖い時がある。
誰でもいい。
誰でもいいから側に……。
花崎侠の最初で最後の恋は錯覚かもしれない。しかし同時に本当かもしれない。
侠は、未だにあいつとのキスを大事にとっておいてあるかの様に娼婦と呼ばれ様とキスを誰とも決してしないのである。
「――約束だもんね……」
侠はそう囁くと自分の唇をなぞる。
無償に泣きたくなってきた。
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