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「お勤めご苦労様です、お嬢!!!!」
いっせいにの太い声であいさつする。
あのヤクザお決まりのポーズで。
――侠の家は日本でも有数の歴史ある組なのだ。
「……」
(まじ、ウザイって奴だわ)
「お嬢、どうしたんスか?」
侠が黙っていると心配そうに皆していっせいに声をかける。
「何でもないわ」
苛立たしく侠は言う。
しかし
「お顔の色が優れていませんよ??おい若いの!!医者だ、医者連れてこい!!」
馬鹿共は勝手に煩くなる。
(……………)
ぶち……
侠の頭の中で何かがキレる音が聞こえたのは幻聴か、事実かは分からないが、侠の我慢の糸は切れた。
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