少女:少年少年

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グラウンドには新品の制服に身を包んだ新入生が溢れていて……なんていうのかな?見るもの全てが新鮮で、なんだかとってもくすぐったい。 あたしはまだ固いローファーに爪先を痛めながら、新入生が集まる正面入り口に近付いた。 そこにあるのはクラス別けの紙が張られた掲示板。みんな我先に自分のクラスを確認しようと、押し合い圧し合いで群がっている。 ……ひぇ~~~……とてもじゃないけどこれじゃあ掲示板まで辿り着けないよ…… 第一関門にグッタリしたあたしは、その場でぴょこぴょこジャンプをし、無数の頭の間から名前を探すことにした。 大野~……大野夏美は……っと…… あたしの通うは普通科は全7クラス。端から順番に根気よく探していると、一番慣れ親しんだ名前に目が止まった。 1年C組 出席番号3番 大野 夏美 「あっ!あった!!」 思わず出てしまった声。あたしは最終確認をしようと再び大きくて跳び跳ねた。しかしそれが、あたしの毎日を変える切っ掛けを引き起こす…… 「い……ってぇ!!?」 「!!?」 頭の天辺で結んでいたあたしの長い髪、それが隣の男の顔にクリーンヒットした。
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