壱章・異世界への召喚

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(今日でわたしも十六歳だ! 頑張らなきゃ)  今日は純の十六歳の誕生日。昨晩は夢見が良かったため純は心が軽かった。いつものように台所に立ち、朝食を作り始める。これは純の日課だ。 「おはよう純。誕生日おめでとう」  父の修也(まさや)はにこやかに純の横に立った。 「お父さん!? お、おはよう。どうしたの? 珍しいね」  おどけたように言うと純は微笑む父を珍しそうに見つめた。 「たまには父さんだって自分で起きるさ。誕生日なんだから」 「うん、そうだね。ありがとうお父さん」 「……あぁ」  なぜか修也は純を見て悲しそうに微笑んだ。 「母さんから純にプレゼントだ。十六歳になったら渡すように頼まれてたんだよ」  修也はそう言うと純の首にネックレスをかける。 「大切にするんだぞ……」  それだけ言って純の作った弁当を掴むと、修也は玄関に向かって歩き出した。
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