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明朝5時。
しっかりと任務への支度を整え人目の少ないうちに秋水は家を出た。
前のように自転車で幻鏡山に向かったが、
現地に着いて気付く。
以前のように疲れはなかった。
「体力ついたなぁ俺も」
自分で自分に驚き自画自賛していると…
「あら、早いわね」
梓の声がした。
秋水が振り向く。
「おう。……あれ?お前…歩きか?」
秋水は音も無く現れた梓に疑問を投げ掛けた。
「?……あぁ…言ってなかったわね。白光には転送装置があるからそれ使ってきたの」
「なんでもアリだな……ってか教えろよ!」
「まぁいいじゃない。じゃあ出発するわよ」
梓は秋水のツッコミを軽く流しスタスタと歩いて行った。
「……あいつもなかなかのマイペースだな…」
秋水は呆れている。
だが次に顔をあげた時、その顔は気迫に満ちていた。
「……よしっ。行くか」
秋水は後を梓の追うように走り出す。
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