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すると秋水は突然蒼牙を空高く放り投げた。
「……なっ!?」
梓は絶句する。
とっさに紅蓮華を抜き放とうとしたその時。
既に朧達は秋水に向かっていた。
『間に合わない……!!』
梓は絶望の表情に満ちる。
しかし秋水はその状況に対しニヤリと笑みを浮かべた。
「散れ」
秋水がそう呟いた瞬間、宙にあった蒼牙は無数に分解し雨の如く朧達に降り注いでいった。
周りは光に満ちている。
もちろん生き残りはいない。
梓は遠くからそれを呆然と見ながら腰を抜かしていた。
「………梓!!」
座り込んでいた梓に届いたその声は秋水のものだった。
びっくりして飛び起きた梓は恐る恐る秋水の元に向かった。
「……しゅう…すい…?」
その声に秋水はゆっくりと振り向く。
「……へへっ…梓、任務完了だ♪」
そこにはいつもの秋水の笑顔があった。
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