63人が本棚に入れています
本棚に追加
暗く深い闇の中、秋水は何もせず立っていた。
左手には使い慣れた愛刀「蒼牙」を握り何事もないように目をつむっている。
しばし沈黙が流れたその時
微かにだが風を切る音がした。
秋水はゆっくりと体を傾ける。
するとすぐ隣りを何か鋭利な物がすり抜けて行った。
秋水はそこから闇の中に向かって蹴りを食らわす。
すると硬く鈍い手応えあり。
闇の向こうで何かが大きな音を立てて倒れた。
「戦闘訓練を終了する」
その直後闇の中に聞き慣れた声でアナウンスが流れた
そして眩いほどの明かりがつき秋水は目をあけた。
「やるじゃない。強くなったわね」
声の主は梓だった。
「………」
秋水は黙って下を向いている。
「どうしたの?」
「いや……眩しい」
「………はぁ…相変わらずね。まぁあなたらしいわ」
梓はもう秋水の行動に慣れてしまったようだ。
「あ、そうそう。青葉師団長が呼んでるわよ、早く来なさいよね」
「おう、りょーかい」
秋水は適当な感じで答え、準備をした後青葉師団長のもとへ向かった。
最初のコメントを投稿しよう!