第十四章 記録

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映像が始まるとそこには訓練室に入った秋水。 担当者の青葉、そして数名の研究員がいた。 「師団長~、今日から新しい相手って聞いたんだけど本当?」 秋水が青葉に話しかけている。 「……あぁ、そうだよ」 しかし青葉は浮かない顔だ。 「そっかそっか♪まぁどんな奴でも倒してやるさ♪」 「……では秋水。これより訓練を開始する…」 青葉が合図した瞬間、訓練室が暗くなり秋水の目の前に一体の人影が現われた。 「……!!?…師団長…どういうことです…」 「……………」 「……なんで…なんで相手があいつなんですか…」 秋水はその場に崩れ落ちた。 その映像を見ていた梓は驚愕する。 秋水の目の前に立っていた相手はあの『光景』だったからだ。 「…秋水、あれの見た目は光景だが実際はデータにすぎないぞ」 青葉は秋水に向かって言った。 「データだと…? データも糞もあるか!! 俺からしたらあれは何処からどう見ても『光景』なんだ!!! ……光景なんだよ…」 秋水の声は怒号から涙声に変わってゆく。 「…辛いのはわかる。 しかし何を言おうとアレはデータだ。 その証拠にあの光景はお前を敵と見なしているぞ…」 青葉の言葉に秋水はハッとして顔をあげた。 データの光景を見ると殺気がビシビシと伝わってくる。 秋水はゆっくりと立ち上がった。 「……訓練開始」 合図と共に光景が襲いかかってくる。 「……うあぁぁぁぁぁあ!!!!」 秋水は蒼牙を振りかざし光景に斬りかかっていった。
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