死後

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 塩浜ちどりは塩浜ちどりではなくなっていた。塩浜ちどりは塩浜ちどりとしての記憶もない。形すら全くの別物だ。  その前に意識もない。目の前は真っ暗だ。異様な音響である。何故か落ち着く。  ということすら考えられない。考えることを知らない。皆無の世界にいる。  長い長い時が経ち、トンネルを抜けたように光が見えた。  おもいっきり泣いた。泣きわめいた。  新しい人生が始まった。
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