第3章 カミングアウト

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「…え?」 失明?勇樹が? 絶対嘘! 「嘘…でしょ?」 「本当なんだ…。手術は角膜移植だからドナーが必要だし,金銭的にも余裕がないから手術の予定は当分ない。」 「手術しなかったら失明しちゃうよ?」 「そうなんだけどね。…いずれ失明しちゃう様な奴となんて付き合いたくないよな。」 「……。」 あたしは何も言えなかった。 信じたくなかったし,何よりも大好きな人が失明した時にちゃんと支えになってあげられるか不安で怖かった。 あたしは逃げたんだ。 その日はそれからすぐに電話を切った。 失明…。 あたしはどうしたら良いんだろう。
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