幻の温泉

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少し前のお話しです。みなさんは温泉好きですか? オレ? オレは…す、好きです。大好きです。ポッ 山口県の某温泉にいつもの藤くんと行った時の事です。 川沿いを歩いていると、藤くんが何かを発見! 指先の向こうにはなんと! 露天風呂。 その横に「ご自由にお入りください」の看板が。 二人のテンションは急上昇でMAX! もう、誰にも止められない二人。 急いで川の畔の温泉へ。 藤「スゲェ!こんなとこに無料の露天風呂なんがあるなんて。」 オレ「もう、入るしかねぇだろ。」 急いで脱ぎ散らかす二人。 まわりから見ればただの変態です。 そんな事はお構い無しにいざ入浴。 藤・オレ「気持ちいい~。」 藤「ん?なんか変じゃねぇ?」 (藤くんが何やら異変に気づく) オレ「あぁ、少しぬるいね。」 藤「じゃなくて。」 (オレ異変に気づく) オレ「あっ!この浴槽なんだか浅いねぇ。」 しかし、今の二人にはそんな事お構い無し。 上がるテンション。 奇声を上げる二人。 二人で将来の夢などを語り合う。 至福の時は刻一刻と過ぎてゆく…。 フッと顔を上げると観光客の方がこちらを伺っているではありませんか。 おもむろに手を振る二人。 苦笑いの観光客…。 オレ「少し恥ずかしいねぇ。」 (バカが一丁前に照れてみる) 藤「大丈夫!問題ないって。」 (こちらは本物のバカ) 観光客から見ればサルの行水にでも見えたのでしょう。 …すると何やら川沿いの道の向こうに人影の姿が…。 よく目を凝らして見ると…。 なんと!鬼の形相でおばさんが走って来るのを確認! まもなく到着。と、同時に鬼婆さんブチギレ。 鬼婆「 アンタ達!ここ、あ・し・湯よ!」 藤・オレ「あ・し・ゆ?」 (……。) 藤・オレ「足湯!!??」 そう。露天風呂と思ってた浴槽はなんと足湯だったのです。 もう一度申しあげます。 二人はバカなのです…。 切なくも即座に上がり鬼婆さんの前でヌードになる二人…。 それから延々と説教。 帰り道。藤くんがポツリと一言。 藤「間違えたね。」 オレ「うん。そうだね。」 (星空を見上げたたずむ二人) みなさん、温泉は好きですか? もしも無料の温泉を見つけたら気をつけましょう。 そこは、足湯かも。 エッ?普通分かるって? それは失礼しました。
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