国際的な僕

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先日、いとこの叔父さんに飲み会の後、国際色豊かなお店に連れて行かれました。 ロシア人、フィリピン人、中国人、…オカマ人。 まぁ、簡単に言うと外国人クラブですよ。 これはそんな華やかなお店でおこったお話しです。 ドアを開くと 「イラッシャイマセェ~、シャチョサン」の大合唱。 僕は引きました。 いきなり引きました。だって本当にテレビの世界だったんですよ! 普通いいます? シャチョサンですよ! えぇ、そりゃもう引きますとも。 …そんなテンションの中、席に座るタメ、叔父さんの顔をチラリ…。 なんとそこにはマンザラでもないような顔をした中年男性がいたのです! たしかに僕の叔父は美容室を6店舗も経営している、立派な社長さんです。尊敬できる素晴らしい社長さんです。社長さんの鏡です。 でも… 間違ってもシャチョサンではありません。 それがどうでしょう。ついさっきまでの社長さんの顔はなく。 目の前のいるのはシャチョサンと言う名を与えられた、ただのスケベ親父になっているではあーりませんか。 僕がく然…。 そしてそのシャチョサンがすかさず一言。 「好きなの選べ」 僕、またがく然…。 そんな具合のテンションのまま今宵始まる怪しげなパーティーの幕が上がったのです。 「コンパンワー(こんばんは)。」 一人のフィリピン系女性が僕につきました。彼女は最近日本に来たのか、日本語がカタコトでした。恐る恐る顔を見上げると、なんとそこにいたのは…一生懸命、人類の言葉を使おうとする恐竜がこちらを見ていたのです。まさに、ティラノサウルス。肉食です。 僕は叔父を呪いました。 さっきまで楽しく飲んでいた事がウソのよう…。 今では食うか食われるか命の瀬戸際のやりとりをしているのです。奴は僕をエサとでも思ってるのでしょう。 全身を舐めるように見てきます。 そして微笑みます。 会話などあったもんじゃありません。 たまらず僕、叔父にヘルプ目線! 叔父、これを右から左に受け流す。 そんなこんなで会話のないまま、ただ一人で飲み続けること、約15分。 ついにティラノサウルスが口を開く。 「アナタ、コリアン?」 え? 「コリアン??」 えっ? あろうことかその恐竜は僕のことを韓国人かと訪ねてくるのです! つらかったです! 時間になり即出ました。帰り道、一つだけ決めました。今度からシャチョサンと呼ぼうと。
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