始まり

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「え…エンジンを…!」 流麗が呟いた。 「そうか……」 黎明は震える手でエンジンをかけた。 しかしエンジンはかからない。 「…くそ!だめだ!こんなときにかからない!」 黎明はじだんだを踏んだ。 ――ぴきっ! 何かがひび割れる音がした…。 「きゃぁぁ!ま…窓が…!」 とうとう窓にひびがついてしまった。 ――トントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントン 「くそ!かかれー!」 ――きゅるる! 黎明の気持ちに呼応するかのようにエンジンがかかった。 「よし!行くぞ!捕まれ!」 「うん!」 車が発進した。 トントンという音が耳に残る。 恐怖が…始まった…。
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