第三話

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「お、おはよう……。」 とりあえず人間たるもの基本は挨拶だ。つーか、もう混乱して何がなんだか解らないのが本当なんだけど。 「…おはよう、ございます。」 朝だから仕方ないんだろうけど……低い声が掠れていて、正直怖い。 「先輩………?」 「はいっ、え、俺?!」 慌ててワケも解らないまま返事をしてから、こんな後輩は俺の知り合いにはいないよなと思った。 (じゃあ兄貴の後輩?) いやいや!だとしたら、俺とコイツが裸でベッドインしてた理由が見つからないぞ? ………まぁ、『男』って時点で俺の後輩だったとしてもベッドインしている理由がないんだけれど。 「そう、アナタ。昨日の……凄く嬉しかったです。」 ちょ、ちょっと待てえええええぇぇっ!! なんで頬染めて上目遣いでソレを言う?!俺なにをお前にしちまったっていうんだよ!! チラリとドアの近くを見てみると、兄貴が究極に青ざめた顔をしていた。 いやいや、むしろ俺が泣きてぇよ。  
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