第四話

2/2
138人が本棚に入れています
本棚に追加
/21ページ
まぁ、まずこういう時は落ち着く事が大切だ。 しかし、先程から俺の手はかなり汗ばんできている。足もガクガクきているときたもんだ。 …落ち着けた後は状況整理だ。 ・変なヤツがいる ・俺とソイツはさっきまで仲良く裸でベッドインしていた(おっと誤解を招く文章になっちまった) ・ソイツは俺を先輩と呼ぶ。 ・俺はソイツを知らない ………状況整理ができた所で…ってしてない。整理できてない。てか落ち着いてもない。 「ふ、ふふふふふ……!」 日本人はどうしたら良いか解らないような状況の時、必殺技ジャパニーズスマイルを発動出来るのだ。 俺も日本人だ。よって、例外なく口から自然に笑みが零れてくる。 ……今回の俺のソレは一般的なモノよりだいぶ気持ち悪いのだが。 「ゆ、ゆいき?」 「先輩?」 兄貴と不審者、二人が俺を訝しげな顔で見てくる。 (……チキショー、誰のせいだと思ってンだ!!) なんだが今度は霧消にイライラしてきた。 しかし、ここで不審者を殴って怒らせてしまったらそれこそ生命の危機だ。 (一体どうしたものか……!) 軽く振り上げた拳を怒りを鎮めつつゆっくりと下ろし、俺は頭をひねった。  
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!