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Episode 0 ～聖夜～
「はぁ……はぁ……ここならきっと見つから――」
とある冬の街の裏道。
街灯はパチパチと音を立て明滅していた。
そのまばらな光が一人の男を浮かび上がらせていた。
「――かくれんぼはもう終わり？私も仕事終わらせたいの……死んでもらうわよ。ターゲットNO．1052、ライザ・Ｆ・クルス……」
その声は傍らのビルの屋上から響いた。
声を聞き驚いたライザは、その右手に握る銃をその声の方向に向け、叫びだす。
「なんなんだお前は！！！！仲間を次々と殺しやがって！！！！何でお前は――」
彼の言葉が終わる寸前、一瞬の煌めきが起き、彼は視界を奪われた。
音もなく、声の主は屋上から地面に降り立つ。
明滅する光に映し出されたその姿はとても美しく、神話の中のヴァルキリーの様だった。
「私の名前はリナ……リナ・レフィル。殺しを世界から認められた人間……『リビングデッド』よ。貴方のような法で裁くことが出来ないくずを消すのが仕事……」
その言葉が終わるか否かと言うとき、赤い尾を引き、丸い物が音を立て雪の積もる地面へ落ちる。
「さよなら……ライザ・Ｆ・クルス……」
そう言うと彼女は傍らに落ちた彼の頭部と、首の無い身体に背を向け歩き出した。
彼女の名前はリナ・レフィル。
この世界に認められた裏の仕事をする女……
この物語の主人公だ。
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