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「う、う~ん」
彼女が目を覚ましたとき、彼女の目の前に広がっていたのはブラックホールの暗黒ではなく、何千年ぶりの光であった。
「目が覚めたかい?」
「ここは?あれ……私、ブラックホールに……」
何千年ぶりの声、彼女はその声に問いかえす。
「君がブラックホールのに飲み込まれそうになったのを僕らが助けたんだ」
ようやく、光に目がなれ、彼女は話している相手を見る。
彼女の目の前にいたのは中肉中背の男であった。
「あなたは?」
そういって彼女は身を起こす。
それに違和感を覚えた。彼女は星であり、従って球体である。そして目の前の男性、彼は必然的に彼女より、星より大きいことになる。
「ははっ、驚いているようだね。僕はプルート宜しくね」
そう言ってプルートは右手を差し出す。しかし、彼女はそれどころではない。
「ブラックホールは星を吸い込む。だからこの星の人々は星を人に帰る技術を開発したんだ。そして君もね」
彼女は星から人へとなっていたのだ。
「私が……人に?」
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