モバッてごめんね〓宇宙編その1

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栗っこからの通信に全夜も溜息ひとつ。部屋のコールボタンを押すものの一向に出る気配がない。 「ノア、悪いが起こしてきてくれ」 「あ、はい」 ノアはすぐに駆け出していった。 「2発目来ます」 「リューア、迎撃準備!」 藤ねぇの言葉に全夜の指示は早く、リューアも素早く準備に取り掛かっる。 「行ける…」 リューアの言葉が合図であったかのように敵から一斉にミサイルが放出される。 「リューア迎撃開始!」 誤差なくすべてのミサイルを打ち落とすとリューアは「当然…」とやや嬉しそうにつぶやいた。 「反撃開始っ!栗出撃しろ」 「了解!」 MS内で待機していた栗っこは期待を操り宇宙の空へ。   一方絵馬の部屋についたノア。 「……ん……琢真シャン……ZZZ…」 発売されたばかりのDVDに見入っていたため眠りについたのはつい先程のコトだった。 「絵馬サ…」 「琢真シャン」 起こそうとして逆に抱き着かれてしまった。 「はっ…どうしよう」 ノアはどうしたら良いのかわからず固まってしまった。 ツーツー ベッド横の通信アラームが鳴る。 「ノア様子は?」 「それがまだ…」 「しょうがない奴だなぁ…」 ドガーン 展開される攻防のなかかわしきれなかった1つが装甲に穴をあけ船を激しく揺らす。 「んなっ?!何なに今の?」 その振動で飛び起きた絵馬。ノアの説明より早く通信機より全夜の声が届く。 「死にたくなかったら格納庫まで走れ!!」 「ラジャ!」 一目散に部屋を飛び出した。 「被害状況は?」 「居住区画の一部が…」 「ケガ人は?」 「負傷者は奇跡的にゼロ。一店舗のみ壊滅的被害が…」 「それはどこだ?」 「甘味処ヲモチ亭です!」 「何!? 我らの唯一の心のオアシスをか」 和菓子というのは時に心を癒してくれた。特に宇宙空間にいる間は溜まりやすいストレスを少しでも和らげてくれた。 シェルタールームから戻ってきたヲモチは店の状況に唖然とする。 「……店が……新作が…」 すべて台なしになってしまったかと思われたが、ふと目をやった先に焼き焦げた新作があった。それを拾いしばらく見つめると口の中に入れた。 「………ぅまぃ…」 何か足りない気がしていたがその謎が解けた喜びと新作の完成に感動した。
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