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だがそんなことに臆する全夜ではない。
『ンフフフ♪あーあ穴開いちゃったねー次はこっちから行くよー』
とまるでこの戦闘を楽しんでいるかのよう。ウィンディーネの砲管がすべてこちらを向く。
「リューア迎撃準備! 栗、絵馬援護を頼む!!」
「了解!」「ラジャ!!」
指示を与えている間にウィンディーネからの一斉掃射ははじまる。
リューアの迎撃は間に合わない。
ソード型の栗っこの機体にすべてを排除するには限界がある。
だが絵馬の機体は8つの砲管を背負っていた。
「栗チャン任せて!」
即座に砲筒をセットすると8色の光線が宇宙を彩る。
それでも逃した数十発が船に迫りくる。
「二人共ちゃんと避けろょっ!」
通信ののちリューアの放った粒子砲は迫り来るモノをすべてなきものにした。
「よし。リューアいつでも迎撃できるまま待機。栗、提督を無事に保護してくれ。絵馬、戻っていいぞ」
「保護……ですか?」
「あぁ、提督の無事が確認出来れば良い」
その言葉の意味を理解し栗っこはウィンディーネへの攻撃を開始した。
「ん? あれは?」
帰還しようとした絵馬は船外に放棄された怪しい物を見つける。
シェルタールームにて見守っていた非戦闘員たち。映し出されたそれは見覚えがあった。
「アトリエにあったやつだよなぁ」
「ええ、絵馬さんの機体の模型ですわ」
それは誰かが作った色のない模型。大きさとしては1㍍位の高さがあり子供1人が隠れられるぐらい。
それがなぜ外にあるのか。
「そーいえばさっき赤ん坊があれで遊んでたぜ?」
Teamオヤビンの1人が言った。
「まさか!?」
と小喬はさっきまでいたはずの1歳6ヶ月になる我が子を捜す。シェルタールームにはいないようだ。
「なぁにを慌ててるんでぃ」
今のいままで眠っていたTeamオヤビンの棟梁オヤビンが何事かと起きてきた。画面をみるなりいった。
「こいつはさっき捨てたやつぢゃねーか」
「捨てたんすか?」
「通路の邪魔だったからな。それにしちゃ見掛けよりもずいぶん重かったなぁ」
あんたのせいか…とオヤビンに内心ツッコミ入れるもの多数。だがそれではらちがあかないと、モニターについたコールボタンを押す。すぐにブリッジに繋がった。
「事情はわかった」
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