序章 滲む世界

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「薫よ~、お前はいつもつまんなそうな顔してんな、少しは俺を見習え!」 健治はそう言って気持ち悪い程のにやけ面を見せつけてきた。 はっきり言って気持ち悪い。他に例を上げようとすれば、一日中かかってしまいそうな程の気持ち悪さだ。 「そんな顔をしてるとバカに見えるぞ」 薫がそう言うと健司はにやけ面をやめて、悲しそうに今は昔のとあるコマーシャルのチワワのようなうるうるした瞳でこっちをみてきたが、薫は断固無視した。
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