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『…げっ!!雨じゃん~(泣)』
下駄箱に下りた綾花は外を見てうなだれた。
『何やってんの』
後ろから声がしたので、振り返ったら折り畳み傘をクルクル指で回しながら、悠斗が呆れたようにこっちを見ていた。
『…ったく。朝の天気予報聞いてなかったのかよ??今日は午後から雨って言ってたろ??』
『えー…っと、聞いたような、聞いてないような…??』
でっかいため息が聞こえた。
『しゃーねーなぁ…』
悠斗は、そう言うと、傘をポーンとこっちへ投げてきたから、慌ててキャッチした。
『えっ!?!』
綾花がポカンとした顔で悠斗の方を見た。
『それ使え!!』
悠斗は、そう言ってブレザーを頭に羽織って雨の中を走りだした。
『ちょ…悠斗っ!!風邪引いちゃうよ!!!』
『俺は大丈夫だからー…』
遠くの方から聞こえた声は、雨の音にかき消されていった。
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