序章

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クランは居心地が悪くなって外に出ようと扉を開けた。 まず目に入って来たのは白い渡り廊下。 両側には柱が向こう側まで続いていて、手入れの行き届いた中庭がある。 「お前はそこらへんにいる者達とは違うようだな」 いつの間にかすぐ後ろまで来ていた男が言った。 「あの、ここはどこ?オレのいた町じゃないの?」 男は少し驚いた顔をした。 何か考えているのかクランをじっと見つめている。 それにしても、近くで見るとますます人間じゃない気がするなー 目の色は紫だし。 男の手がクランの方に伸びる。 何をされるのかとビクビクしていると、半分だけ空いていた扉を閉めた。 「そうか、お前は…」 男が何か言っているようだけどクランには何を言っているのかが解らない。 目の前が真っ暗になって体の自由がきかない。 暗闇の中でフワフワと中に浮いているような感じがした。
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