染みを持つ少年

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「これがその子?」   首を傾げ片手で写真を持ち上げ呟く。 一人の少年の写真。 黒髪の15歳くらいの少年。 どこにでもいる、ありふれた少年。   「そうだ。」   椅子でくるくると周りながら答えるI。 彼は白髪混じりのオールバック。 40過ぎには見えない顔立ち(実際SENは年齢を知るまで20くらいかと思っていた) 白い肌。 190㎝の長身にスラリと長い足。 それを組んで細い目でSENをみつめる。   「彼はこの事を…?」   「いや、知らない……、と思う。」   大きいため息がもれる。   「はっきりしてよ…。」   SENは呆れ顔で言う。 ファイルを机に置くと、足を組換えた。
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