―感情

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数日経っても連絡は無かった。 そして、深雪が帰って来る事も無かった。 終わったんだ。 一ヶ月が過ぎた頃 深雪の携帯に電話をしてみた。 けれど 「…お客様のお掛けになった番号は現在使われておりません…」 電話は繋がらなかった。 アイツに電話をした事は 気まぐれ、 そう思った。 いや、思おうとした。 …でないと そうでないと 冷静で、居られなかったから。 俺はようやく 気が付いたんだ。 君が居なくちゃ 駄目だって事に。 そしてそう思ったって もう、手遅れな事に。 深雪に再会したのは先月の事。 あれからもう半年も経って 深雪の事も忘れ掛けていた頃だった。 仕事帰り、たまたま高校時代の親友、孝太(コウタ)と雅俊(マサトシ)に会った。 昔いつもつるんで居た仲間だった。 久々の再会に飯でも行こうかなんて話してたら 孝太が 「行きたい店ある」 って言い出して 俺達はそれに習った。 着いた場所はこじんまりとしたレストラン。
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