―感情

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もう二度と 触れられない 君を呼べない 俺が 隣にいる事も出来ない。 なのに忘れられない 忘れさせてくれない、 君は孝太の恋人。 親友の、彼女。 俺の中に こんなに大きく占めた 君の存在を 消すしか無い。 けれど 消えてくれない。 余りに近過ぎて だから余計に遠くて この想いは 気のせいだったと 通り過ぎた時間の一部 過去、だったと 自分に言い聞かせて毎日 気付きたく無かった自分の気持ちに戸惑うばかり。 二度と 君を名前で呼べないから 君に触れられないから 君を笑わせる事は出来ないから 君と愛し合う事は出来ないから 後悔なんて 大層な事言える訳も無い 全ては俺が原因だったから あの時こうしていれば あの時ああしていれば 君はまだ 俺の隣に居てくれたのかな? 外せないままの写真立て 伏せて せめて見えないようにした。 「…深雪。…」 バイバイ。 俺の感情。 ―END―
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