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「ヨロシクね」
アタシの目の前に彼が座って振り返る。
信じられなかった。
「あ…うん」
「渡瀬未来(ワタセミク)チャン…あまり、話した事なかったよね?」
笑顔を浮かべながら話しを続ける。
「そ、そうだね」
上手く話せなかった。
いつも遠巻きに見てた彼が目の前にいる。
そして、アタシに話し掛けている。
視線を合わせられずに
俯くアタシ
「…?俺みたいなタイプ苦手とか?」
彼は顔を覗き込む様にした。
「ちっ、違ッ!芹澤君カッコイイし、そのっ…!」
苦手なんかじゃない、
むしろ大好きで
直視出来なくて
思わず恥ずかしい事を口走る。
その言葉に彼は笑った。
「(笑)じゃ、よかった。
それから、
元でいーから♪未来」
季節は夏。
気がつけば
この席になってからもう3か月経って居て
アタシと元も3か月分の時間を一緒に過ごしていた。
…と、言っても
席順が前と後ろなだけ。
ただの、友達。
それでも元とアタシは3か月前とは比べ物にならない位仲良くなっていた。
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