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「芹澤、渡瀬、お前達は補習だ」
「えぇっ、俺も？」
元が不満気な声をあげる。
「当たり前だ」
「じゃどうせならコレ、みんなに見せていいよね？先生」
紙切れを取り上げてヒラヒラと皆に見えるように掲げた。
教室がクスクスと笑いに包まれて
「それは、笑うよな」
「アハハ」
「だろ？」
全体に広がる。
こうして元はいつも中心にいる。
呆れ顔の先生をよそ目に
周りの空気も何もかも一瞬で変えてしまう。
こんな人だからこそ、
アタシは夢中になって仕方がない。
アタシ達は、誰もいなくなった教室から窓の外を見つめる。
放課後、
足早に帰るクラスメイト達。
先生はプリントを数枚置いて何処かへ行ってしまった。
教室の隅っこには元とアタシだけ。
「あーあ…未来のせいで俺まで補習だし」
元は不満そうな声でアタシを恨めしそうに見つめる。
「元が吹き出すから悪いんでしょっ」
「だってアレは似過ぎだしっ」
いつもの席
いつもの様に
アタシ達は座ってプリントには手を付けずに話し始める。
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