窓際。

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「それにちょっとは庇ってくれたっていーじゃない」 「ダーメ。未来のせいだし?」 元はイタズラっ子みたいな顔をして笑う。 「とにかくこれ、終わらせちゃおうよ。帰れないし…」 ギッシリと問題が書き詰められたプリントにようやく目を落とす。 「はぁ…」 思わず溜め息。 相当な時間が掛かりそうだ。 「ね、未来。席代わって♪」 振り返ったまま座っていた元が突然そんな事を言い出した。 「えぇ?」 「今だけ、1番後ろ座ってみたい」 両手を合わせる元に アタシが断れる訳もなく 席を立ち上がる。 「しょうがないなぁ~」 途端に笑顔になる元。 「やった!ありがと」 しばらくプリントに目を通す。 本当に終わらないと帰れないだろうし… 仕方なく問題を解き始めて気が付くと 後ろからペンを走らせる音が聞こえなくなった。 「…元?」 振り返ると、シャープペンを片手に持ったまま元はうとうとと眠っている。 太陽は落ちて柔らかくなった陽射しと 窓の隙間からは涼しい風が吹き込んで来ていて 眠るには最高の状況だった。
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