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まぁ、仕方ないか…
もとはと言えばアタシのせいだし…
居眠りする元をそのままにしてアタシは問題を解き続けた。
「きゃっ!!」
しばらくして、背中に違和感を感じてアタシは小さく悲鳴を上げた。
振り返るとシャープペンの先で元がアタシの背中を突いている。
「起きたの?」
「うん、悪い。寝てた…」
欠伸をしながらうんと大きく背伸びをする。
「寝てていいよ?アタシやるから写して」
すぐに前を向き直して続きに取り掛かる。
なのに背中にはまた、シャープペンの先が当たってそれがスルスルと動いた。
背中に文字を書いているらしい。
アタシは背中に神経を集中させて読み取る事にした。
…ん?
「バ……カ…………バカァ!?」
書かれた文字に気が付いてまた振り返る。
アタシの顔を見て
成功した、と言わんばかりに元がニヤリと笑う。
「じゃあ次はー…」
元の声に反射的に前に向き直る。
なんだかんだアタシは元の遊びに付き合う気満々だ。
「…あ…ほ…?」
「アハハハッ」
正解に読み取ったアタシの答えにまた元が笑う。
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